JASTIPが第11回ASEAN科学技術イノベーション週間に参加

1986年に始まったASEAN 科学技術イノベーション週間( ASEAN Science, Technology and Innovation Week, ASTIW)は、ASEAN科学技術イノベーション委員会(ASEAN Committee of Science, Technology and Innovation, ASEAN-COSTI)の3年ごとに開催さされる主要イベントで、持続可能な開発のために科学技術やイノベーションを活用する上での知識や成果を交換し、また、連携やパートナーシップを強化するための交流を目的としたステークホルダーのASEAN。第11回のASEAN科学技術イノベーション週間 (ASTIW-11)は、2021年6月14日~17日に、タイ高等教育・研究・イノベーション省(MHESI)の主催で開催されました。当初はハイブリッド(オンサイト+オンライン)での開催を予定していましたが、昨今のバンコクのCovid-19の状況を鑑みオンラインでの開催に変更されました。

JASTIPは、ASEANのSTIコミュニティにとって重要なこのイベントで、サイドイベントを開催することになりました。2020年1月にハノイで開催された第8回JASTIPシンポジウムに続いて、6月14日に「持続可能な開発のための科学と政策の対話」と題したセッションを開催し、JASTIP フェーズ1の5年間の成果をASEANの政策担当者と共有し、2020年に開始されたフェーズ2において日・ASEAN共同研究のプラットフォームをどのようにアップグレードしていくかを議論しました。

本セッションでは、タイ科学技術イノベーションI委員会の議長であるMHESI事務次官のシリルグ・ソンシビライ教授の開会挨拶に続き、6名のスピーカーが登壇しました。このセッションでは、京都大学の縄田英治教授が「JASTIPフェーズ1(2015-2020)の成果の概要とフェーズ2への期待と見通し」を発表しました。NSTDAのThumrongrut Mungcharoen博士がは、JASTIP WP2 環境・エネルギー共同研究拠点, Thailandについて説明しました。  インドネシア科学院(LIPI)のEnny Sudarmonowati教授は、インドネシアJASTIP WP3 共同研究拠点の成果についてインドネシア及びASEANの観点から紹介しました。JASTIP WP2の地域電化を中心としたカンボジアでの活動については、カンボジア工科大学のLong Bun博士が発表しました。ベトナムのテュロイ大学のNga Pham Hong博士からは、ベトナムおよびメコン流域でのJASTIP WP4の活動について幅広く紹介されました。

パネルセッションでは、残念ながらオンラインシステムの仕様上聴衆からのフィードバックを聞くことができませんでしたが、専門家パネルは全員一致で、JASTIP第1フェーズを、STIに関する日・ASEAN協力の促進という点で肯定的に結論づけました。一方で、JASTIP第2フェーズでは、イニシアティブの持続可能性を確保するために、政策立案者との対話を促進し、研究成果の社会への貢献をさらに追求する必要があることを認識しました。

当日の議題は以下の通りで、発表プレゼンテーションは以下のリンクよりダウンロードが可能です。

  1. Opening Remarks by Dr Sirirurg Songsivilai (MHESI)
  2. Executive Summary of JASTIP Phase 1 (2015-2020) and Forecast of Phase 2 (2020-2025) – Prof. Dr Eiji Nawata (Kyoto University, JASTIP WP1 Leader)
  3. WP2: Energy and Environment Joint Laboratory in NSTDA, Thailand – Assoc. Prof. Dr Thumrongrut Mungcharoen (NSTDA, Thailand)
  4. WP3: Outcomes and Policy Implications of Bioresources and Biodiversity of Phase 1 for Phase 2: Indonesia and ASEAN’s perspective – Prof. Dr Enny Sudarmonowati (LIPI, Indonesia)
  5. WP4: Linking with ASEAN and Japanese Partners through Malaysia in Disaster Science and Technology – Prof. Dr Ali Selamat (MJIIT, Malaysia)
  6. JASTIP WP2 activities in Cambodia – Dr Long Bun (Institute of Technology of Cambodia)
  7. WP4: Nature-based solutions as a regional initiative toward sustainable river basin development – Dr Pham Hong Nga (Thuyloi University, Vietnam)